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シリアスとギャグの中間のゆるさ

スポーツもののマンガにおける表現があまりに現実離れしているとかなり胸焼けしてしまって、読むことを放棄しがちなワタシである。なので有名どころでも読まず嫌いになっていることが多い。

恋愛要素を多く盛り込まれてもげんなりする傾向にある。読みたいのはそこにあるわけではない。
大好きな人と想いが通じ合って百人力、試合は奇跡の連続!みたいなのとか、もっともっと幼い頃だったならば興奮して読めたのだろうけれど。フィクションではなくノンフィクションのスポーツの世界の方がより圧倒的に面白く感じるようになってしまって幾久しい。(当然といえば当然のことではあるが)
というわけでスポーツもののマンガなんぞ完結まではほとんど読んだことがないに等しい。

ワタシはフィギュアスケートを観るのが好きだが、これを題材にしたマンガにはかなり幻滅させられてきたものだ。
3回転半、4回転ジャンプを主人公の切り札にもってくるパターンには飽き飽きだ。ペアやアイスダンスでのパートナーとの恋愛中心にしたゴタゴタとか、そーいう易いドラマ要素はつまらない。易くなければいいんだけど、凝り過ぎてもメロドラマ的方向性になってしまう。リアルの競技者でそういうことはもちろん多分にありましょう。ドロドロもあります、大変美談な逸話もあります。でもそれはリアルのものであり、その組の美しき素晴らしき演技があってこそドロドロが美談が生きるわけでございます。

まあ単純な話で、マンガにおいて例えば主人公が奇跡的な技を武器にした演技が大成功!的な表現があったとして、それにワタシが圧倒されるような描写があれば問題ないわけでありますが、大抵の場合はありません。ジャンプの表現なんて難しいのわかりますけどね。画を見て、おお!すごい!的なことは過去全然ないでありますよ。なのに4回転ルッツ成功だ!とか描かれてても、ふーん、みたいな感じでしか見られないワタシはひねくれてるんかもしれんけど、でも実際女子なら3回転半が鬼門だったり男子だったら4回転が大きな壁だったりするので、マンガのあまりの非現実っぷりが気に入らないわけです。


で、そんなワタシが、うは!これはイイ!と思ったフィギュアスケートものが、カーラこと川原泉『銀のロマンティック・・・わはは』である。
直球のフィギュアスケートものであるのだが、ギャグともシリアスともいえぬ匙加減、カーラ色のゆるいながらの人情ものといった具合である。
ワタシへの禁じ手ともいえる4回転が必殺技のように盛り込まれていても、なんだかゆるーくかわされてじんわり温かい気持ちにさせられる返し技的表現。これすべて作者の描き方の勝利であると思う。
スポーツものだからシリアスにしなければならないという決まりはない。しかし勝負の世界ということで、えてしてシリアスに描かれるものだ。逃げ場としてギャグを用いる場合は多くある。しかし”ゆるーい”というものはそうあるものでないと思う。
『銀のロマンティック・・・わはは』は過度にギャグにもシリアスにも走り過ぎない。一定にゆるいのである。決め手の4回転の場面であの主人公たちのゆるい笑顔はなんたることか。あらゆることが中和されるのである。
これは『甲子園の空に笑え!』にも『メイプル戦記』にもいえることである。登場人物たちのなんともゆるく和やかな笑顔で、読者はなんかニマーと口元を緩ませられるのだ。本来ならワタシの嫌いな「奇跡」発動が多分にあるにも関わらずワタシは読み進められる。そして登場人物たちの成功に喜び安堵させられる。これはすべて川原泉氏の表現の勝利である。

カタルシスを求める読者にとっては物足りないものかもしれない。ゆるさはご都合主義の極みともいえる。しかしワタシは易いカタルシスなぞちっとも求めていないクチである。そしてカーラのぎっちりつまった言葉の渦に如何に多くのものが詰め込まれているかは、読解力を要するものであると思う。




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ツモ

Author:ツモ
30代後半女。
→四十路突入。
→もうすぐバカボンのパパ越え。
→日本女性の平均寿命に向かって折り返し地点あたり。別にそこまで長く生きたいわけでもない。とりあえずの目標はこの先20年くらい。

暴れまわった娘時代の反動か、自宅にひきこもりがち。相方、娘二人と古都の端っこで地味に暮している。


気まぐれにしか更新しないくせに、記事がやたらと長くなる傾向にある。

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