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またいつか

黄金週間終盤の昨日早朝、ワタシの母からメールが来た。
これまでの休日ならば遅くまでダラダラ寝床にいたワタシが珍しくも早起きだったのは、上の娘が朝から夕方まで学校のクラブ活動に出るのでお弁当が必要であるからしてその用意のためであった。

母からのメールはたった1行の簡潔なものだった。

「ゴン 死んじゃった」


ゴンとはワタシの実家で長く暮らしているネコである。ワタシも相方と所帯を持つまで一緒に暮らしていた。以前こちらで書いたネコのことだ。ワタシの親父が見捨てるに忍びなく連れ帰り家族となった「ゴン」と「アイ」と名付けたオスメスの姉弟である。(姉弟と書いているがあくまで印象でそう定義しているだけで拾い子なので実際は定かでない)


親父がわざわざ家まで車で迎えに来てくれたおかげでワタシもゴンにきちんとお別れできた。
亡骸を見て、言葉にできない切ないような淋しいようなしんみりとした気持ちが溢れ出すのだけれども、涙は少しも出なかった。
ゴンは享年およそ17歳、素人判断ではあるがおそらく天寿をまっとうした。病を得た子の毛並みではなかった。年老いて痩せてしまった体にも毛並みはサラサラと手触り良く、長く美しくしなる尻尾は柔らかなままだった。

アイちゃんがどこぞで寝ていたのに人の気配で降りてきた。
まるまるとして毛艶も素晴らしい。ゴンが現世の永い眠りについたことをわかっているのかどうか。いやきっとよくわかっているのにクールな彼女はそのスタイルを崩していないだけなのだ。

実家近くの動物霊園に行った。
お経をあげてもらいお焼香もした。
初夏の風は肌に心地よく陽射しはキラキラと土を照らし、穏やかな気持ちで天に帰るゴンを待った。火が焚かれるゴォーッという音だけが切なかった。


ワタシにはまだまだ面倒を見るべき娘がふたりいる。
彼女たちが成長してこれから先いろいろあって、ワタシがいなくとも大丈夫であろうと思えるまでと考えたならば、あと最低25年くらいはワタシはどうにかこうにかしても生きるべきなのだ。
だからゴンよ、それまでのんびり待っていてね。そっちにいつか必ず行くからその時はまたモフモフさせてよ。ゴンはやんちゃだったけれども本当に心優しいお利口さんだったよ。どれだけ殺伐とした気持ちを救ってくれたか数え切れない。
お前の毛を連れて若き日パリに行ったことを生涯忘れない。

またいつか会おうね。





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Comment

みやこ | URL | 2011.05.09 12:22
お別れのはなしなのに、とてもあったかい気持ちで読みました。
私もまるで同じ気持ちをもって、今います。また会おうねと。少々その日が楽しみなほどに(笑、また会いたい人や愛犬・愛猫がどんどん増えております。
それと、なんだかいまさらなんですが、この間の娘さんの挨拶の話。本当に、うんうん!とうなづきながら読みました。ツモさんの気持ち、そして娘さんの強い心になんだか勝手に妙に感動して、うんうんと~(笑
同世代ですが、本当にいろんなことありますよねぇ。ホントに(笑
なんだかツモさんの日記を読んでて、うん、なんだか私達の毎日も(勝手にヒトククリです)、悪くないなぁと思ったりしてます(笑
ツモ | URL | 2011.05.09 21:19
> お別れのはなしなのに、とてもあったかい気持ちで読みました。

みやこさん、コメントありがとうございます。
そう仰っていただけて、穏やかな気持ちで見送ったワタシとしては感無量であります。

> また会おうねと。少々その日が楽しみなほどに

まこと、そう思える年齢になったということでしょうか。
若い日、死後を恐れたこともありましたが、いつしか「また会えるから」という再会の場としての念がワタシも年々少しずつ強くなってきました。
私たち、まだまだ平均年齢を鑑みればそんな歳ではないはずなのに(笑)


娘たちを毎日世話しつつ、彼女たちの日々の成長、すなわち次世代の成長を支えるのはつまりは我がの果ての老いを認識させるものであるからして、しかしまだまだ終息の感慨にひたるには早すぎる、まさに妙齢なのですね。


父母から聞いたゴンの最期近くの話ですが、息をひきとるほんの少し前まで自分で頑張って定位置のトイレにヨロヨロ歩いて行ったらしいです。
(あ、今まさにこれを書いている最中に既視感が。ワタシ、このコメント以前にも書いた気がする。変な気分です。)
電池がパッキリ切れたみたいにゴンも寿命だったと信じて疑いません。


命の順番が巡っているのだな、と思います。
娘たちよりも高齢のおじいさんだったゴンは寿命を迎えた、ワタシの両親はそれを穏やかに見送れた。すべて順当に巡ってくれればこれほどの幸いはないと思う次第です。


> それと、なんだかいまさらなんですが、この間の娘さんの挨拶の話。本当に、うんうん!とうなづきながら読みました。ツモさんの気持ち、そして娘さんの強い心になんだか勝手に妙に感動して、うんうんと~(笑

なんだか恐縮します、たんなる親バカ身内話でしたのに。
つくづく思うのですが、確かにワタシが娘を生みましたけれども、ああ子供といえども独立した個人なのだな、と。


> 同世代ですが、本当にいろんなことありますよねぇ。ホントに(笑
> なんだかツモさんの日記を読んでて、うん、なんだか私達の毎日も(勝手にヒトククリです)、悪くないなぁと思ったりしてます(笑


ああ、そう言っていただけてものすごく嬉しいです。
悪くないですよ、なんていうか、うん、悪くないんです。



ホントなんて言ったらいいか上手く言えないのですが、この記事にコメントいただけて嬉しかったです。

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いらっしゃいませ。

ツモ

Author:ツモ
30代後半女。
→四十路突入。
→もうすぐバカボンのパパ越え。
→日本女性の平均寿命に向かって折り返し地点あたり。別にそこまで長く生きたいわけでもない。とりあえずの目標はこの先20年くらい。

暴れまわった娘時代の反動か、自宅にひきこもりがち。相方、娘二人と古都の端っこで地味に暮している。


気まぐれにしか更新しないくせに、記事がやたらと長くなる傾向にある。

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