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憧れが人を美しくするって誰かが言う

フォーマットしてOSインストールし直した。VistaのSP1とSP2も無事にインストールできて最新のアップデートも済ませて、PCの動作は大変快適である。
バックアップはきちんと取っておくべきだ、と思う反面、なんぞ不都合が出ればまためんどくさくはあるけれどもOS入れ直せばいいや、的な感慨のワタシは相方ほどに保存に走らなければならないデータはないのだ。
とは言えどもまったくないわけではなく、このブログ用の文書はHDに一旦保存した後に自分専用のUSBメモリに改めて保存する。その内容の大半は更新した記事の元原稿であるのだが、中には趣味で書いた文書があったり、ブログ用の文書なのにアップしないでお蔵入りしたものもあったりする。
今回はそのお蔵入りしていたものの中のひとつを手を入れ直して更新します。



本田恵子『月の夜星の朝』は、りぼん愛読者だった少女の頃の思い出のマンガのひとつだ。

これ以前の短編『GOODグッドバイ』が作者の作品初見だったのだが、画にグッと惹かれたのだ。後の中編『朝焼け坂ロック』『ワン☆キッス』ですっかり作者のファンになった。当時ワタシは小学生で、画が美しくストーリにどこか大人っぽさを感じつつもそれが「憧れ」の想像の範囲内の内容で、大変キラキラした夢のようでありつつも身近さを覚え、「いつかこんなお姉さんになれるのかもしれない」という夢を与えてくれた。
そして『月の夜星の朝』の連載が始まった。


ストーリ中の中学生活にとても憧れた。なんかものすごく充実していて、恋もクラブ活動も勉強も精一杯やっていて、まさに絵物語の青春一直線さが少女のワタシを魅了しまくり、素敵だなー!と随分な勘違いをさせられてしまったのも今となっては良い思い出なのだけれども、二次元の美しさは現実と大きく違いすぎる現実に実際がっかりもさせられたわけである。

自分が中学生になって、もう全然そんなマンガの世界と違って、校内暴力はあるしいじめは結構深刻だったし勉強なんて真面目にやろうものなら何故か後ろ指さされるし、集団にムリにでも入らなければ学校生活なんかまともに送れない感じで、はっきり言って苦行に感じる中学生活だったので、ワタシは段々と殺伐とした気持ち全開になりアウトサイダーになっていったのもこの頃だった。
母が今でも当時のワタシは「世の中すべてが敵」みたいな目つきになっていた、と言うので、相当馬鹿げたひどい状態だったかもしれない。ま、そんな過ぎたことはどーでもいいのだけれども。


りおというヒロインはとても可愛いと思うには思うけれども、なんだかどうしても共感が持てなくて困ってしまった。嫌いにはなれないのだけれど好きにもなれない。優等生タイプなところは決して悪くないだ。どちらかといえば自分も少女の頃はそういうタイプだったので、むしろそこには共感を覚えるほどだったのだが。

りおはヒロインとして「聖女」すぎるのだ。
どうにもそこが共感できないわけである。

りおの正当性を肯定するためだけにストーリは展開される。潔癖な可愛らしさと純粋さをキャラクタとして確率していて、一応悩んだり葛藤したりもするのだけれども自身の否や醜さを簡単に認め受け入れ改めてしまう。他者に対して包容力がありすぎる。「聖女」の前で人は無力だ。何事にしても自分が罪悪な気にさせられる。
清き世代にりおの姿は理想の姿である。
多くの人に慕われ愛され、微笑みひとつで涙ひとつですべてを解決させる威力を持っている。ヒロインとしての完璧な姿である。

『月の夜星の朝』はおとぎ話だ。

メインの登場人物たちが高校に入学したあたりまででりぼんの購読を止めてしまって、単行本で最終巻が出てしばらくした頃、中3だったと思うのだが、当時の数少なかったマンガ読みの友人に全巻貸してもらって全部読みきった。はー、そんな展開ですか、という感想だった。
なんか全体的にむやみ有名人属性キャラクタが登場し、むやみに事件を作り上げ、それでなくともおとぎ話だったのに更に夢物語に仕立てあがった感じがどうにもうーん・・・と頭をひねった。
やっぱり最後までりおにはどこか共感できなかったし、遼太郎君はイイ男に見えなかったし、いわゆる萌えどころが自分にない、という結論が出てしまった。

美しいならば完璧な美しさを。
りおのキャラクタ設定がお姫様属性のわりに当時のワタシにも手が届きそうな身近な環境のキャラクタでもあった。そこがワタシの反発心を招いた原因である。憧れを打ち砕かれる、ということは少女には酷なことなのだ。
りおとその周辺の登場人物は皆所詮育ちの良いなんの苦労もない感じのキャラクタばかりで、憧れを通り過ぎ、そんなヤツはそういねぇ、と思わせられるばかりだった。少女マンガなのでそれで全然問題ないのだけれども、現実で裏切られた憧れの画はもはや反抗心を多く生んでしまった。
なのにどうしてワタシは文庫版買っちゃって今でも大切に保管しているのか。
愛憎は表裏一体なのだ。
憧れのフィクションの世界に近づけない自分への不満を、作品への批判に憂さ晴らししていただけなのである。
いまやワタシはご都合主義上等、夢物語最高、みたいな読者になっているところがある。
事実は小説より奇なり。
そんなん当たり前、がわかりきった年齢になってしまったワタシである。もはや逆に結論万事うまくいく、っていうのがフィクションの世界でないと得られなかったりするのだ。

少女の頃の「少しお姉さん」への二次元的憧れが詰まっている『月の夜星の朝』である。
少女マンガ~な感じが結局どうにも嫌いになれなくて、いやむしろ好きなくらいで、あちらこちらのエピソードでそれどうよ?って思いつつ結局読んじゃう、みたいなマンガだ。どうのこうのいいながらつまりは好きなんじゃねーか。


現在メインキャラクタ達が妙齢になった続編が描かれているらしいのだが、それに手を出す気はさらさらない。おとぎ話だったものを変に加齢させて生臭さを出されてももうワタシは困ってしまうだけなので。



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ツモ

Author:ツモ
30代後半女。
→四十路突入。
→もうすぐバカボンのパパ越え。
→日本女性の平均寿命に向かって折り返し地点あたり。別にそこまで長く生きたいわけでもない。とりあえずの目標はこの先20年くらい。

暴れまわった娘時代の反動か、自宅にひきこもりがち。相方、娘二人と古都の端っこで地味に暮している。


気まぐれにしか更新しないくせに、記事がやたらと長くなる傾向にある。

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