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君に会うために

破壊と汚染によって人類の生存が不可能となってしまった地球を離れ、別天地を得たはずがいつしかまた湧き起こる人類の母なる地球への思慕。
これは多くのSF作品に見られる最大のテーマであろうと思う。

ワタシがこのテーマで一等先に思い浮かべるのはやはり竹宮惠子『地球へ・・・』である。
『地球へ・・・』は語るまでもない名作なのだが、如何せん人類のアイデンティティを追及した末に夢も希望もない壮絶な展開がこれでもかこれでもかと押し寄せてくる。繰り返される生と死の気の遠くなるような繰り返しの中で”地球”への思慕が記憶にわずかながらにもしかし確実に継がれていくことを、奇跡だと感じるか哀しいと感じるか。


OVA『FREEDOM』も、地球は人類の住める星でない、という常識を植えつけられていたはずの少年が偶然にもその目で青く輝く地球の姿を見てしまったことから物語が動き始める。
しかし少年の心を真に動かしたのはどうということもないたんなる”ひとめぼれ”なのだ。

少年の暮らす地は月面の都市エデン。高度な科学文明に保護され管理されたエデンは少年には退屈でありながらも平和で、やんちゃに暴れるくらいしかすることもない日常だった。ある日偶然にも一枚の写真を手に入れ、写る少女の姿にひとめぼれしてしまい、その写真が地球からのものだと確信したならば、後先考えない向こう見ずな勢いで、ただその少女の”会いたい”一心だけで、地球へと旅立ってしまう。

少年の”ひとめぼれ”が、「むこうは滅びたかもしれない」と思っている地球と、そう思想統制している月というふたつの地で生きる人間たちを大きく動かすことになる。



設定の細部に至るまでのしっかりした作りを求める目の肥えたSFファンの方々には消化不良の点や説明不足に苛立つ点も多く見られるのでないかと思う。また、少年の”ひとめぼれ”という想いが物語りを動かすきっかけになる点にご不満を持たれる方々もおられるだろうと推測する。

けれどワタシは、少年たちの直情的で浅はかな考えで向こう見ずに疾走する姿こそ面白いと思った。


地球にたどり着いた少年たちが写真の少女を探し破壊の爪あとが生々しい文明が崩壊した北米大陸を彷徨う画は若々しさがあふれたロードムービーさながらで、そも物語全体において『FREEDOM』は少年たち、若い世代の人々のロードムービーだ。
少年少女たちにとって”恋”はきわめて重要な生活の要素だ。それと”友情”。それは大人が生活するために少しずつ減らしたり切り離してしまうものであるだろう。

未来を憂慮し慎重になりすぎたが故の厳格な保守や管理を大人が粛々と行うこともいい歳になってしまった今のワタシにはよく理解できることなのだが、バカらしいほどにまっすぐに疾走する若者の姿も美しく思う。両者はなかなか相容れぬものではあるが、漠然としながらも遠い未来に光を見つめることと、どれだけ小さくなろうとも光を守りぬこうとすることは相反することではないのだ。



FREEDOM PROJECTは日清カップヌードルの宣伝を皮切りに多岐に渡った。
テレビCMで放送されたFREEDOMのエピソードはかなりドラマティックなシーンが多かったのだが、残念ながらOVAに組み込まれていないことがほとんどでそこが残念ではある。ただ、それらがOVA本編にもしも使用されていたならば、ワタシが「少年たちのロードムービー」と感じたような雰囲気とは異なっていたことだろうと思う。


CMはものすごくかっこよかったし、OVAはフツーに面白かった。
若いってすごい。





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ツモ

Author:ツモ
30代後半女。
→四十路突入。
→もうすぐバカボンのパパ越え。
→日本女性の平均寿命に向かって折り返し地点あたり。別にそこまで長く生きたいわけでもない。とりあえずの目標はこの先20年くらい。

暴れまわった娘時代の反動か、自宅にひきこもりがち。相方、娘二人と古都の端っこで地味に暮している。


気まぐれにしか更新しないくせに、記事がやたらと長くなる傾向にある。

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