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まだまだ楽しいことがある

ふらりと立ち寄った近所のスーパーの片隅の小さい書籍コーナーで目にして即買い。


2011/12/02



近頃めっきり本は読まなかったし書店にも足を運ばなかった。
先日PCまわりのレイアウト改変中に本の整理も少しして、まだ読んでいない本もその中にあったのだが、ああ久しぶりにしっかりと本を読んでみようか、と思った。
ずいぶん活字というか文章から離れていた。要は気力だったり体調だったり物理的時間の問題だっただけだ。
その間はずいぶん音楽は聴いたからそれはそれでものすごく楽しくて、原因不明に落ち込んだ気分を優しく引き上げてくれたりした。自分にとって耳心地のよいものを多く聴いたり、新しい出会いにチャレンジして聴いたりした。

ワタシには音楽の知識、学識が無い。なにしろ音楽なぞお金持ちの子が習うもので、いわば「雲上人の世界のもの」という感覚で育ってきたのだ。
でも子供の頃毎朝台所にあるラジオから流れていたのがクラシック番組で(これについてはこちらで)、理由はわからないがそれは「素敵なもの」とワタシの中に刷り込まれた。「雲上人の世界のもの」で「素敵なもの」なのだから、それはそれはキラキラとしたイメージなのだ。手が届かない憧れのもの、といった感じだろうか。

しかし時が流れ、高価で手が届かなかったレコードがいつしか手ごろな価格でCDで聴けるようになった。(もちろん自分が長じて経済力が備わった、というのが最要因だが)なんでもかんでも価格破壊はよろしくないだろうが、これに関しては素直に嬉しい。コンサートは逆に価格高騰の一途をたどるように思うが、とにかくCDで結構手軽に多く聴けるようになった、と思う。

エエ歳になってきて、これまで好きだったモノやコトの一部から少しずつ距離ができてしまってしかも取り戻しようも無い具合だったりしてとても淋しく思っていた。もうなにか楽しいことに熱中できることはどんどん自分の手から零れ落ちていってしまうような気持ちになったりもした。ああでも音楽はまだまだ聴きたいものが山ほどある、と感じて、幸せだなー、と思った。


村上春樹氏はこの書の「始めに」の部分で、
「好奇心の旺盛な、そしてできるだけ正直な素人の聞き手であることを心がけた。たぶんこの本を読まれる方の大部分は、僕と同じような「素人」の音楽ファンなのだから。」
と記している。
小沢征爾氏は
「音楽好きの友人はたくさん居るけれど、春樹さんはまあ云ってみれば、正気の範囲をはるかに超えている。クラシックもジャズもだ。彼はただ音楽好きだけではなく、よく識っている。」
と述べている。

村上春樹氏はワタシのような「ホンマもんの素人」でなくそもそも大変高名な小説家でいらっしゃるのだから、文化、芸術方面への生活の心身投入度があからさまに一般的でないよく聴きよく識る人だろう。でも対話中の端々に見える、小説家になる以前のずっと若い頃から知識学識はさておきひたすらに愛した音楽を語る喜びに溢れているようだった。
巧く云えないが、「一緒に聴いて楽しもうよ!」なんていう感じを村上春樹氏の言葉から、「世界のオザワ」たる小沢征爾氏の言葉からは「音楽スゴイよ、楽しいよ!」なんて感じが、まあワタシが勝手に感じただけなのだろうがとにかくそういう感じに手を差し伸べられているような、そんな読後感である。


近頃のユーロ安を見て、先日ベルリンフィルのデジタルコンサート会員に登録したのだが、マーラー・イヤーでマーラー満載である。
そういえば、ワタシはこれまでどれだけマーラーを聴いてもどうにもピンとこなくて困っていた。できればお近づきになりたいのにいつまでも遠い。ほんの少しでいいからマーラーとお近づきになる、そのためのきっかけがつかめなかった。本書の「グスタフ・マーラーの音楽をめぐって」を読んで、なんだか肩の力がスッと抜けた感じがした。ああ、そういう受け取り方で良かったのか、みたいな。


久々に読んだ本がこれでよかった。幸せだ。




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ツモ

Author:ツモ
30代後半女。
→四十路突入。
→もうすぐバカボンのパパ越え。
→日本女性の平均寿命に向かって折り返し地点あたり。別にそこまで長く生きたいわけでもない。とりあえずの目標はこの先20年くらい。

暴れまわった娘時代の反動か、自宅にひきこもりがち。相方、娘二人と古都の端っこで地味に暮している。


気まぐれにしか更新しないくせに、記事がやたらと長くなる傾向にある。

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