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スコーン

学生時代のある日、友人が「あの本すごく面白いんだよ」と言った。

薦められたというほどでもなく(実際現物の本を見せられて読んでみる?なんて聞かれたわけでもない)、ただ友人が感想を述べたにすぎないというこのかつての一場面は何故か長くワタシの中に印象深く残ったということになる。

学生時代を終えてずいぶん経ってから読んだ。
なにがきっかけで読む気になったのかも思い出せないが、背表紙の題名が偶然目に入り何気ないひとコマだったはずのその友人の言葉をすぐさま思い出した、ということだけは覚えている。

”あの本”すなわち林望「イギリスはおいしい」はいまやワタシの愛読書である。



前回述べたようにワタシは大変流行というものに鈍感で、ティラミスが大流行したこともよく知らず、初めて食べたのが流行から遅れること数年後会社員になってから上司にステキなイタリアンを食べさせてもらった時のディナーコースのデザートの一皿だった。
上司に「前にずいぶん流行ったねぇ、本来定番なんだけどねぇ」なんて言われて言葉を濁すのもアレな感じがして「あ、あの自分実は初めて食べるっす」みたいなこと言ったら、驚愕の眼差しを向けられたのを覚えている。

スイーツ系の流行は特にワタシの苦手とするものである。
大体がっつりごはんならばまだしもスイーツに何時間も並んでまで買うやら食べるというのはワタシの中ではありえんことである。
すごく美味しいのだろう、食べただけでステキな気持ちになれるのだろう。でもそのために何時間も費やす労力はワタシの方向性に合わない。それならすぐさま家に帰って一杯飲みたい。甘いものは好きだけれどそこまでの関心がないのだ。
なので食わず嫌いというわけではないけれど、ごはん最優先だしその次は酒だし、って感じで暮らしてきているワタシのスイーツ優先度は低い。
現在気を配って買うようにするのはひとえに家族のためである。ワタシは一口も食べないことがよくある。


そんなワタシは当然ながらスコーンというものを知らず、初めてスコーンを食べたのは社会に出て少し経った頃、イギリス、バースにて、だった。(超安旅とはいえ海外に行けるほどに出世できたと自負できたなぁ)
もし日本のスイーツ色濃いスコーンを最初に食べていたなら現在のワタシはスコーンに対する思いはなんらなかったと思う。

素朴で腹いっぱいになるデカさのスコーンはワタシにとって大変魅力的で、クロテッドクリームとジャムをたっぷりぬりたくるおおざっぱというかカロリー無視というかエエ加減というか、とにかくなんかワタシの舌と肌に合った。そして大量の紅茶の入ったポットとともに大量のさし湯が入ったポットを出され、さあガブガブ飲んでくれといわんばかりのその態勢をすっかりワタシは気に入った。

アフタヌーンティーの知識なぞ乏しく(一応事前に予習したつもりではあったが)、イギリス料理はまずい、なんていう通説もさほど知らなかったワタシは、パブで飲んだビールは最高に美味かったしとりあえず初渡航地故のプレミア感覚で、学食レベルならいくらでも食える、みたいなワタシの貧乏感覚も発揮され、旅行者としてはこれで十分と思っている上でのスコーンの味わいは更なるプレミアものだったというか。


まあそんなこんなであれをもう一度食べたいと思っても売っているものはスイーツ色強いものが多く、もっとモフモフしたスイーツというよりもパンに近い感じのあれは一体どこにあるのか、と思えば、冒頭に申し上げた書の中にレシピがあったわけで。(文庫版のおまけのようです)手順が大変参考になります。っていうか、すごい簡単。(分量なんかはクックパッドあたりも参考にしましたが)自分なりに納得がいく出来までは幾度かチャレンジが必要だったが、要は思い切りと大雑把さが大変重要だと理解した。近年バターの値段高騰であまり作らなくなったが、唯一ワタシが作ることができるお茶のおともである。


スコーンの話に終始したが、不味そうなものと美味そうなものの話の対になった展開がとても興味深く何度読んでも面白い。リンゴは皮をむくのが面倒だがそれを払拭するような美味しそうなリンゴの話は何度読んでももはや憧れの域だ。リンボウ先生のイギリス話から展開した食にまつわる話の多くはとても面白く、本書だけでなく多くエッセイを読ませてもらって楽しんでいる。



しかし、美味しいものは食べたいけれどたいがいどんなものでも、そういうものなんだろう、と思ってバクバク食べてしまうワタシはやはり貧乏性なのだと思う。




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ツモ

Author:ツモ
30代後半女。
→四十路突入。
→もうすぐバカボンのパパ越え。
→日本女性の平均寿命に向かって折り返し地点あたり。別にそこまで長く生きたいわけでもない。とりあえずの目標はこの先20年くらい。

暴れまわった娘時代の反動か、自宅にひきこもりがち。相方、娘二人と古都の端っこで地味に暮している。


気まぐれにしか更新しないくせに、記事がやたらと長くなる傾向にある。

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