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「砂の城」

一条ゆかり御大のマンガを初めて読んだのがこれ。連載の途中から読み始めたのとなにせ自分が幼かったので話がよく理解できない、にも関わらずものすごーく惹きつけられました。はぅー大人だわ・・・って感じで。
ナタリーとフランシスとミルフィが三つ巴でごちゃごちゃのあーだこーだになってるあたりから読み始めてるものだからその因果関係なんかさっぱーりわかんないのにそれでもなんかもうああ、どうなっちゃうわけ!?ってドキドキしながら連載終了まで読みましたね。

きちんと全部読んだのは文庫版で。もう悶えましたね、こうイライライラーーーッと。でそこがまたいい。メロドラマはこうでないと!みたいなお約束です。

確かにね、ナタリーと初代フランシスの恋は不幸です。まさに古典的悲劇です。
けれどその後の彼女の人生は彼女がもっと賢く自立してあらゆるものからさっさと開き直ればなにもそこまで不幸になることはなかったわけです。幸いにも大いなる助力と理解を彼女の周囲の人たちは惜しまなかったのですから。
で、ナタリーもそれはよくわかってて周囲に迷惑かけてる自分をどうにか変えようと努力は一応しやがるのですが、なにせ元が世間知らずのお嬢様だから一番大事なポイントを自分では見出せない。いらんところで自己主張激しく、反面そこは思いっきり自己主張しとけ、みたいなところで人の好さ気な行動を取ってしまう。全然精神的に立ち直ってないくせにつまらないプライドのせいで自分の良き理解者たちの前でも見栄を張ってしまう。一体こんな女をどーしろと言うのでしょうか。ナタリーの素晴らしき友人たちはよくぞこんな面倒くさい女を見放さなかったもんです。
年齢的に大人になっているのだから立派に振舞わなければならないのは確かにそうであるけれども、できないことは素直にできないと認めることこそが自立の一歩ではないんかいな、ととにかくまあイライラさせられる女でございます。
御大も「ナタリーみたいな女は嫌い」と断言していらっしゃることですし、もう全然ナタリーが嫌いでも問題なし。しかしただ嫌いなだけだったら人は読むわけがなくて、嫌いなのになんか気になって読んじゃう!みたいなところがメロドラマの力ってところですなー。

対してミルフィはナタリーとは全く逆で自分の欲望に大変忠実です。
自分の魅力に大層自信があるのです。ところが二代目フランシスがちっとも自分を女として見ないことに苛立ちを隠せません。彼がナタリー一筋で自分のことはアウトオブ眼中なことも実はわかってはいるのだけどそれがどうしても認められない。年増の女に何故こんなに若くて可愛い自分が負けるのか、とさえ思ってしまう。自分の恋する故の激情をどうしても止められなくて周囲にどれだけの迷惑がかかろうが突っ走ってしまう。
ナタリーもそんな止められない感情を知っているものだからミルフィを疎ましく恐ろしくも感じつつどうしても退けることができないし、二代目フランシスも同様です。周囲の理解者たちの忠告を聞かずに無駄なお人好しぶりを発揮してしまったせいで、本来うまくいくはずだったものが転じて困った状況を招いてしまったわけです。全く全然空気読めないヤツらがあーでもないこーでもないってやるものだから、そりゃごちゃごちゃになって当然でございます。

脇キャラは本当に質の良い人揃いです。御大があえて「そうした!」と断言してるだけあって、男キャラも女キャラも素敵です。中でも一番かっこいいのがランベールさんの元婚約者であるマダム・シフォンヌ。もうなんともかんとも洗練された熟女で美しさと知性とユーモアを兼ね備えた本物の大人の女性で、あんな風になれるもんなら歳を取るのも全然悪くないと思います。


圧倒的なメロドラマ的流れに一息に読むと疲れを覚えるほどです。
愛だけにこだわって人は果たして生きられるものなのでしょうか。愛は大切かもしれないけれど自分の身を滅ぼすまで愛だけに必死になることはないと思うし、なんか他にやることないのかよ、と思ってしまう。
でも読んじゃうなー。やはり女は大河ドラマ好きなんですかね?でもテレビドラマとか全然観ないんだけど。実写だとあーでもないこーでもないってやってるのがうっとおしくなってしまう。

なんか近頃の若者は恋愛したいとは思うけどめんどくさいとも思ってる人が増えてるそうで、それもまたどうかなー?と思うのですが、ナタリーやミルフィみたいに恋愛に必死になり過ぎるのもね。ものごとには程度ってものが多少は必要ですよ、うん。
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ツモ

Author:ツモ
30代後半女。
→四十路突入。
→もうすぐバカボンのパパ越え。
→日本女性の平均寿命に向かって折り返し地点あたり。別にそこまで長く生きたいわけでもない。とりあえずの目標はこの先20年くらい。

暴れまわった娘時代の反動か、自宅にひきこもりがち。相方、娘二人と古都の端っこで地味に暮している。


気まぐれにしか更新しないくせに、記事がやたらと長くなる傾向にある。

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